LEDの電気的な特性に起因する特徴
LEDの特徴のページで紹介した特徴のうち、以下の電気的な特徴について詳しく説明します。
- 消費電力が小さい
- 低電圧での点灯が可能
- 簡単な回路での点灯が可能
- 点灯・消灯時の応答速度が速い
消費電力が小さい
LEDは、加熱発光を伴わないメカニズムで発光するため、白熱電球などと比較してエネルギーを光に変換する効率が良く、消費電力の小さい光源です。
発光効率も年々向上しており、2007年頃には磁気回路式安定器型の蛍光灯と同等の60lm/W程度であったものが、5年後の2012年頃には高周波点灯専用安定器型の蛍光灯と同じ100lm/Wに到達しています。
この発光効率の向上は今後も続くと予想されており、LED照明推進協議会のロードマップでは2020年頃には200lm/Wを超えるという目標が設定されています。
低電圧での点灯が可能
LEDは、発光色によって点灯に必要な電圧が異なりますが、一素子の発光に必要な電圧は最も順方向電圧の高いUV-LEDでも4V程度と、他の光源と比較してとても低い電圧で点灯が可能です。
発光色別の順方向電圧は以下の通りですが、一般的に波長の短い光ほど点灯に高い電圧を必要とします。
- 赤色:1.8V程度
- 黄色:2.1V程度
- 青色:3.6V程度
- 白色:3.6V程度(青色発光+蛍光体の場合)
- 紫外:4.0V程度
なお、LEDを点灯させるためには直流の電源が必要となります。
簡単な回路での点灯が可能
LEDを点灯させるためのもっとも単純な回路は、電池などの電源とLEDに流れる電流を制御するための抵抗1本で作ることが可能です。
LEDの寿命を保ち光量を安定させるためには定電流回路が必要となりますが、これについても専用のICなどが多く開発されており非常に少ない部品点数で目的の回路を製作することが可能となっています。
点灯・消灯時の応答速度が速い
LEDは半導体素子の一種なので、電気の応答性が良く10μs程度で発光が可能です。
このため、PWM制御などによる調光が可能で、簡単な回路でエネルギーのロスなく明るさを調節することが可能です。