LEDの光学的な特性に起因する特徴

 LEDの特徴のページで紹介した特徴のうち、以下の光学的な特徴について詳しく説明します。

  • 1素子あたりの出力が小さい
  • 発光の波長範囲が狭い
  • ひとつの光源で照らすことのできる範囲が狭い

1素子あたりの出力が小さい

 LEDは放熱などの問題から1素子あたりの出力を大きくすることが困難で、現状では1素子あたりの出力は5W程度のものが最大となっています。

 これはLEDの端緒のひとつと言えますが、多数のLED素子を並べて使用することにより、照明装置としての出力を大きくすることができ、このような方法を用いることでこの短所を克服することが可能です。

発光の波長範囲が狭い

 ひとつのLED素子が発する光の波長範囲は非常に狭く、赤色成分のみや青色成分のみの発光となります。

 このような波長範囲の限定された発光は単一波長の発光と呼ばれ、従来型の光源にはないLEDの特徴のひとつと言えます。

 LEDが単一波長の発光をする理由はLED素子を構成する原子の構造にあり、この構造によって電圧が印加された場合に放出するエネルギーの大きさが決まっており、このエネルギーの大きさが発光の波長を決定するためです。

ひとつの光源で照らすことのできる範囲が狭い

 上記のようにLEDは1素子あたりの出力が小さいため、スタジアム、工場、高速道路などの高いところから広範囲を照らすような照明には向いていません。

 LEDによる広範囲の照明として普及しているものとしては、住居や事務所などの屋内照明や自動車のヘッドライトなどがありますが、より広範囲を照らす必要のある上述のような分野では、LED素子の出力向上やレンズを含む照明筐体への工夫が行われ実用レベルに近い製品が開発されているものの、普及には至っていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ