LEDの応用分野
LEDはさまざまな研究開発により、発光効率の向上や波長範囲の拡張といった方向へ日々進化しています。
理論的には、可視光の発光効率は400lm/W、波長範囲は長波長側が2000nm付近、短波長側が200nm付近まで達することが可能と言われており、性能が理論値に近づくに従ってLEDの応用範囲はますます広がっていくことが予想されます。
現在実用化されている、または近いうちに実用化されると考えられるLEDの応用分野には以下のようなものがあります。
照明分野
発光効率の向上に伴い照明分野でのLEDの利用が進んでいます。
特に2011年3月の東日本大震災以降は、原子力発電所の停止に伴う電力不足への懸念から、家庭やオフィスで従来型の照明よりも消費電力の少ないLED照明への置き換えが急速に進んでいます。
交通分野
交通分野では、逆光時の視認性の高さなどから信号機用光源のほか、自動車のテールランプやストップランプでの採用が進んでいます。
また、発光効率が十分なレベルに達してきたことから、HIDランプなどと比較して応答速度が速い特性を活かし、ヘッドランプへの採用も広がっています。
可視光LED以外にも、赤外光LEDが交通情報を伝える光ビーコンの光源として使用されています。
医療分野
医療分野では、小型化が可能というLEDの特性を活かし内視鏡用の光源として利用されています。
また、発熱が比較的小さく長寿命であることから、手術の際に使用する無影灯の光源としても採用され、従来無影灯に使用されてきたハロゲンランプからの置き換えが進んでいます。
その他
上記の分野以外にも、応答性の高さを活かした光通信の分野や、DVDやBDの読み書き用の光源などでLEDが活用されています。
また将来的に出力の向上や波長範囲の拡大がさらに進むと、殺菌や半導体製造装置などの分野へ応用範囲が広がっていくものと考えられます。