赤外線LEDは身近な機器で多く利用されている

 赤外光LEDは、人には見えない赤外線を発光するダイオードであり、IR-LEDやIr-LEDなどとも表記されます。
 赤外線は紫外線と異なり人体に悪い影響をおよぼさないので、赤外線LEDは電化製品のリモコンや電子機器間の短距離データ伝送など、身近な分野で多く利用されています。

赤外線とは

 赤外線は電磁波の中で、可視光線の赤より波長が長く、マイクロ波より波長が短い範囲のもののことを指します。

 赤外線の応用範囲は広く、電化製品のリモコンなどの他に、人や物体の温度の分布や変化を測定するためにも利用されます。

 この測定には、表面に温度を有しているものは赤外線を放出しており、赤外線を計測することにより対象の温度分布等を測定できるという原理を利用しています。

赤外線の分類

 赤外線は、可視光線に近い短波長側から近赤外線、中赤外線、遠赤外線の3種に分類されており、それぞれ以下のような特徴を持っています。

近赤外線

 近赤外線は780~3,000nmの電磁波で、皮膚へ数ミリ浸透してヘモグロビンに吸収される特性を利用して静脈認証装置やヘモグロビン濃度を測定する医療検査装置に利用されています。

 また、上述の電化製品のリモコンや近距離通信の手段に利用されるのも近赤外線です。

中赤外線

 中赤外線は3,000~15,000nm(3~15μm)の電磁波で、物質固有の吸収スペクトルが含まれる領域であることから、化学物質の同定法である赤外分光分析に利用されています。

 また、波長が4,000~14,000nm(4~14μm)の中赤外線は、育成光線とよばれ人体や植物の代謝を促進させて育成させるために欠かせない光線です。

遠赤外線

 遠赤外線は15,000~1,000,000nm(15μm~1mm)の電磁波で、吸収されると熱になる性質を持っています。

 この性質は、調理器具や暖房機器に応用されています。

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